6日目(2014年8月9日)

起床〜ホテル出発
 5:00起床。いつも通り本を読んだり,荷物整理をしたりしながらゆっくり過ごします。6:15頃,外は明るくなり始めました・・・空はドンヨリとした雲で覆われています。6:35,テレビで天気予報があり,ピレネー付近は雲域に入っており,雨マークも多く記されていました・・・残念!6:50,外へ出てみると南西の方向には所々青空が見えますが,北の岩壁方面には厚い雲・・・今日,向かうのは北の岩壁方向なんですよね〜他の人たちも外に出てきて残念そうに空を見上げています。
 7:00〜8:00,朝食。ハイキングの準備をして,8:30,ロビー集合。8:45,ホテル出発。
オルデサ渓谷・駐車場
 ホテルからバスが向かったのはトルラの町のインフォメーションセンター・・・昨日の夕方,サン・サルバドール教会を眺めた場所です。夏季はオルデサ渓谷の駐車場へは一般車は入れないので,シャトルバスが運行しています。インフォメーションセンターが乗り場です。ちなみに,バスの運転手さんの今日の仕事はこれだけだったそうです(笑)。
 9:00,シャトルバス出発。バスは北上,ホテルオルデサ前で駐車,乗客を乗せます・・・「えっ?ホテル前で乗れるんなら,ここから乗れば良かったんじゃないの?」と思いましたが,この時点で,バス内はほとんど空席無しの状態・・・確実に座れるようにするために,わざわざインフォメーションセンター(始発)まで行ったのだそうです・・・なるほど〜。バスはさらに,ドンドン北上,ナバーロス橋を渡り,オルデサ渓谷に入ります。道沿いには石造りのちょっと良い雰囲気の建物がいくつかありますが,お構いなし(当然(笑))にバスは進み,ドンドン高度を上げていきます。
 9:25,オルデサ渓谷の駐車場(標高1300m,トルラの標高は1030m)に到着。雨は降っていませんが,ドンヨリとした曇空,いつ雨が降り出しても不思議でない・・・そんな天気です。残念ですが,仕方ありません。見上げると見事な岩壁がそびえています。その岩壁も雲で隠れがちです。この岩壁はロッククライミングのコースらしいです。こんな岩壁を登るなんて・・・クライマーはやっぱりクレイジーです(笑)。この日は昨夜の雨で岩が濡れているので,さすがにクライマーの姿はありませんでした。

シャトルバス内

ちょっと良い感じの建物

オルデサ渓谷駐車場

駐車場から見上げて

巨大な岩壁も霞んでいます。
ハイキング出発
 9:35,ハイキング出発。曇天で湿度も高く,イマイチ快適ではありませんが,昨晩の雷雨を考えると,雨が降っていないだけマシと言ったところでしょうか。少し歩いたところで,今日のコースの説明を聞き,本格的にハイキング開始です。この辺りは樹齢500〜600年のブナの林で,緑が綺麗です。ノンビリと歩いていると,次々に登山者のグループが追い抜いていきます。歩くスピードの速さにビックリです。ガイドさんの話では,彼らはこの先のゴリス小屋に宿泊,ローランの割れ目を越えていくのでは?とのことでした・・・納得です。

こんな感じの道です。

キツツキの穴

この日のコースの説明を聞きます。

国立公園のプレート

登山者達が次々に追い抜いていきます。

この日のコースやコラ・デ・カバーリョ滝について

 私にとってこの日のハイキングは,4日目のガヴァルニー圏谷に続くハイライトの日です。と言うのも,このオルデサ渓谷には見応えのある滝が3つあるのです!下流からエストレッチョ滝,ソアソ滝,コラ・デ・カバーリョ滝です。エストレッチョ滝は「これぞ滝!」という感じの迫力のある姿,ソアソ滝は美しい段瀑,コラ・デ・カバーリョ滝は末広がりの美しい簾状と三者三様,いずれも素晴らしい滝のようです。中でも個人的に最も好みの姿なのがコラ・デ・カバーリョ滝です。
 旅行社のパンフレットには,この日の予定は「朝食後,トルラからオルデサ国立公園の入り口(1300m)へ。アラザス川沿いを歩きソアソ滝を越え,エル・エストレッチョ滝(1480m)を目指してハイキングをします。ご希望の方にはガイドがピレネー第二の高峰ペルディード山や望めるソアソの高原(1800m)までご案内致します。」と記されています。エストレッチョ滝とソアソ滝行くのは間違いなさそうですが,コラ・デ・カバーリョ滝に行くのか?この滝は渓谷の一番奥にあるみたいでしたので,恐らくソアソの高原の先にあるでしょうから,ちょっと微妙だな〜と思っていました。また,滝の順番(下流からエストレッチョ滝,ソアソ滝,コラ・デ・カバーリョ滝)と,パンフレットの記述(ソアソ滝を越え,エル・エストレッチョ滝(1480m)を目指して)がどうも噛み合わず,ずっと疑問に感じていました。で,前日の夕食後,添乗員さんに「コラ・デ・カバーリョ滝まで行きますか?」と尋ねたところ,「このツアーは,そこまで行く設定にはなっていないんですよ〜」とのことでした・・・残念です。ガヴァルニー大滝の時は滝直下まで行く予定じゃ無かったのに行くことになりましたし,それだけでもラッキー!でしたので,コラ・デ・カバーリョ滝は諦めていました。
 でも,この時,発表されたコースは,「まず,ソアソ滝をめざします。その後は,もし皆さんに余裕がありそうなら,ガイドさんと相談して,さらに先まで行くか考えます。エストレッチョ滝は帰りに寄ります。」とのことでした!もしかしたら,コラ・デ・カバーリョ滝に行けるかも!と,ここでも大喜びの私でした(笑)

オルデサ渓谷の地図(カーソルを合わせてください)
滝・花など
 10:00,遠くにコタトゥエロ滝が見えてきました。落差約200mのスペイン最大落差の滝だそうです。木々に遮られてちょっと視界が悪いです。写真を撮るのに苦労していると・・・「帰りに良いビューポイントがありますよ」とのこと。なら,帰りに期待!と言うことで先へ進みます。
 10:30,アリパス滝到着。落差は10m程度の印象で大きくは無いですが,水量豊富で見応えのある滝です。
 さらに道なりに進むと道は分岐,「帰りはこちら(右)に進みます」とのことでした。左へ進むと,すぐに川への降り口・・・物凄く惹かれる道でしたが我慢。さらに先へ進むと再び川へ降りる道が・・・添乗員さん「ここを降りましょう」とのことで,降りていきました。降りた先はエストレッチョ滝の落ち口でした。

立派な枝振りの木です。

ビボレラの花・・・だったかな?

スネークヘッドとも呼ばれている・・・だったかな?

コタトゥエロ滝

これは何だったかな?

ピレネーカエルのおたまじゃくし

アリパス滝

崖面に緑色の草があります。

粘着液が出ていて虫を捕らえる・・・だったような。
エストレッチョ滝・上段
 11:00,エストレッチョ滝の落ち口到着。ゴウゴウと水が落ちています。遙か下方に滝壺があり,向きをグルリと回転させるように,ちょっと複雑な感じで流れ落ちています。夢中になって撮影していると,添乗員さんから「先に行きますけど,ゆっくりして,追いかけてきて下さいね」との有り難い言葉が(笑)。毎回毎回すみません・・・と思いながら,有り難くこの言葉に従うことにしました(笑)。と言っても,大幅に遅れるわけにもいかないので,ちょっとだけゆっくりしてから追いかけました(笑)。
 ちなみに,ここの一つ前の川への降り口ですが,これを降りていくと,エストレッチョ滝の上段を正面から見ることができたんじゃ無いかな?と思っています。こっちも行きたかったなぁ(笑)

エストレッチョ滝の上流

エストレッチョ滝・上段

エストレッチョ滝を見下ろす
ソアソ滝へ
 11:10,エストレッチョ滝を出発,すぐに合流できました。この先は急な九十九折りの坂道となり,その先の避難小屋の所でトイレ休憩です。勿論,青空トイレです(笑)。
 この後はほぼ平坦な道を遠くの滝を見たり,花を見たりしながら進んでいきます。クマの耳の花,アルニカ,キングクラウン,アンヘリカ,イエルバロスピホス,エリソン,ペラリト,ベンケイソウなどなどが添乗員さんの旅日記に記されていますが,何枚か撮ってきた花の写真で,どれがどの花やらさっぱりです(笑)。
 途中にあった水場の水はとっても美味しかったです。この水場はグリニッジ子午線上と言うことでした。

岩をくり貫いたような道

遠くに滝が見えます。

この水は美味しかったです。
ソアソ滝
 12:25,ソアソ滝到着。滝は見事な段瀑です。恐らく昨晩の雷雨の影響でしょう,水の透明度はイマイチですが,豊富な水量でなかなかの滝姿です。夢中になって写真を撮っていると,またしても,添乗員さんから,「先に行きますけど,ゆっくりして,追いかけてきて下さいね」との有り難い言葉が(笑)。ちょっとだけゆっくりして追いかけると,皆さんから,「ここからの眺めも良いよ〜」と声が次々とかけられてきます。見ると,確かに,素敵な滝姿です。その度に写真撮影,なかなか先へ進めずに困ってしまいました(笑)。遊歩道を進めば進むほど,違った姿を見せてくれる滝でした。

ソアソ滝

ソアソ滝

ソアソ滝・上段

ソアソの高原

 ソアソの滝を越えると,そこに広がったのは広々とした開放感満点の場所でした。ここがソアソの高原だそうです。この先がコラ・デ・カバーリョ滝です・・・道は平坦みたいだし,行きたいな〜と思っていると,添乗員さんから発表が。「この先に滝があります。そこまで歩いて1時間くらいですが,道はほぼ平坦です。そこまで行って,そこで昼食としたいと思います」とのことでした。とりあえず,皆さん異存は無いようでした・・・コラ・デ・カバーリョ滝に行ける!一気にテンションが上がりました!本来ならモンテペルディド3348mが見えるはずですが,残念ながら雲の中です。でも,天気は気になりません・・・滝めがけて一直線です(笑)。
 よく考えてみれば,もし,この日が晴天で暑かったら,コラ・デ・カバーリョ滝に行くことは無かったかもしれません。ここまで,結構距離を歩いてきて,ツアーメンバーの中には,結構ギリギリと感じていた方もいらっしゃったみたいですので。そういう意味では,この曇りという天気,私には決して悪くはなかったかもな〜という気がしてきました。
 最初は他の皆さんに合わせて歩いていたのですが・・・途中で,「先に行っていいですか?」「どうぞ〜」と言うことで,またもや一人先へ突き進んでしまいました。右に左に幾筋もの滝が落ちています。快適な道を写真を撮りながら黙々と進んでいきます・・・他の方々は山の説明を聞いたり,花を楽しんだりしながらゆっくりと歩いてきているみたいです。

「ソアソの高原」の案内板

コラ・デ・カバーリョ滝をめざします。

左に幾筋もの滝が落ちています。

右にもが落ちています。
コラ・デ・カバーリョ滝
 13:15,コラ・デ・カバーリョ滝到着。
 早速,下流に架けられた橋を渡り,左岸(上流に向かって右)へ。左岸沿いの道を進み,滝の正面へ。落差40m程度の印象・・・ガイドさんは60mくらいかな?と言っていました。末広がりの繊細な水の流れの滝なのに,素晴らしい迫力です!意外に水飛沫が激しく,カメラはアッという間に濡れてしまいまともな写真は撮れません。また,超広角のレンズが無いと全景をおさめることはできません。残念ながら早々に退散。ちょっと離れたところからの撮影に専念です。
 この頃は時折太陽が姿を見せるようになりましたが,逆にこの太陽の光が強すぎて,スローシャッターが切れずに,太陽が隠れるのを待ったり,次から次に記念写真を撮る人が現れたりで,なかなか満足いく写真になりません。
 しばらく悪戦苦闘しながら,ふと気付きました。そろそろ,他のツアーメンバーを探さないと・・・合流の時間も場所も打ち合わせしていないのです。写真撮影を中断,ツアーメンバーを探しに引き返すと,すぐに添乗員さん会うことができました・・・集合場所と出発時間を確認,出発時間は14:00とのことでした。残り約20分。ちょっと迷いましたが・・・昼食抜きで,コラ・デ・カバーリョ滝を楽しむことにしました(笑)。そして,時間ギリギリまで滝を堪能し,思い残すこと無く,この場を去ることができたのでした(笑)

コラ・デ・カバーリョ滝が見えてきました。

正面からのコラ・デ・カバーリョ滝

滝壺から下流の流れ
←コラ・デ・カバーリョ滝

コラ・デ・カバーリョ滝
エストレッチョ滝へ
 14:10,コラ・デ・カバーリョ滝を出発。帰りは本来の道を外れて,ちょっと高所を歩いて行きます。マーモットを探しながらの帰り道でしたが,声はすれども姿は見えず・・・結局見ることはできませんでした。そして,本来の道へ戻り,雄大な景色を見ながらノンビリと歩いて行きます。
 16:10,エストレッチョ滝の落ち口付近を通過し,エストレッチョ滝への分岐に到着。

エストレッチョ滝
 エストレッチョ滝の分岐を過ぎると,急に道は悪くなりました。滑りやすく,急な斜面が続きます。そして,長い長い下りです。エストレッチョ滝の落差が約90mですので,恐らく高度差100m程度を延々と降りていったのだと思います。エストレッチョ滝を帰り道に設定した理由が分かった気がします。行きにエストレッチョ滝を見ると,この急な,滑りやすい道を延々と登る羽目になります・・・一気に体力を持って行かれそうです。下りで良かった〜心底,そう思いました(笑)。
 そして,展望台に到着。目の前に現れたエストレッチョ滝は・・・素晴らしいの一言です!落差90mの巨大な滝ですが,周囲の岩盤がそれ以上のスケールを持つ為でしょうか,それほどの大きさには感じません。それでも十分な迫力です。
 ガイドさんの話では,本来,この時期はこんなに水量は多くないそうです。やはり,昨夜の雷雨でかなり水量が増しているそうです。まぁ,その分,水の透明度は低いのですが,それでも泥水になっていないのはさすがという感じです(笑)。そして・・・ここでも,「先に行きますけど,ゆっくりして,追いかけてきて下さいね」との有り難い言葉が(笑)。勿論,有り難くこの言葉に従うことにしました(笑)。と言っても,毎度のことですが,大幅に遅れるわけにもいかないので,ちょっとだけゆっくりしてから追いかけました(笑)。

エストレッチョ滝への下り道

エストレッチョ滝・横構図で
エストレッチョ滝・アップ→
クエバ滝
 エストレッチョ滝からさらに下っていくと数分で,クエバ滝への分岐です(16:25)。この滝へは希望者のみです。疲れている方は無理をしないで・・・と言うことでしょう。当然,私は行きます(笑)。ガイドさんも分かっているようで(笑),「行くよ」と目で合図されて出発しました・・・この頃には私はガイドさんから「ミスターウォーターフォール」と呼ばれていました(笑)。分岐から滝まで数分程度,意外に近かったです。現れた滝は・・・美しいの一言です。落差は20m〜30m程度の印象。上部は斜滝,下部は直瀑風の変化に富んだ流れで見応え十分です。ガイドさんも「この滝が一番好きだ」と言っていましたが,納得の滝姿です。ちなみに「クエバ」というのは洞窟のことだそうです。

滝壺から下流の流れ
クエバ滝・全景→
無名滝とコタトゥエロ滝
 クエバ滝を過ぎると,あとは駐車場へ向かうのみ・・・の筈だったのですが,少し進んだだけで,またもや滝に遭遇。ただ,今回は無名滝,さらに,木々の向こうであまりに展望は悪いです。それでも,添乗員さんに,「すぐに追いかけます」と言い,三脚立てて写真撮影にチャレンジしてしまいました。大急ぎで撮影して合流・・・後はノンビリと歩いて行きました。
 17:05,コタトゥエロ滝の展望ポイントに到着。滝までは物凄く遠いですが,それでも朝のポイントより遙かによく見えます。ここにはベンチも設置してあるので,ここで一休みです。

無名滝

展望ポイントから
(カーソルを合わせてください)

コタトゥエロ滝
駐車場着・ホテルへ出発
 17:15,コタトゥエロ滝の展望ポイント出発。ここまで来ると,道は完全に普通の道です。ただ,一休みしてしまったからか,それまでと比べて,急にきつくなりました・・・滝が終わったからかな(笑)。しばらく進むと林を出て,両側にそびえる岩壁が現れてきました。朝はガスに覆われていた岩壁がクリヤーに見えています・・・明日は良い天気かも!
 17:35,駐車場着。シャトルバスに乗車すると,すぐにシャトルバスは出発しました。
ホテル着・夕食・就寝
 18:00,ホテル前でシャトルバスを下車。部屋に戻ると,風呂に入り,後はひたすらゴロゴロ,ゴロゴロして過ごしました。さすがに疲れました・・・万歩計をつけていた方の記録では,31,000歩程度だったとのこと。山道を31,000歩ですからね〜。
 19:30〜20:30,夕食。メニューはトマトのサラダ,ポークのブルーチーズソース,アイスクリーム・・・ピレネービールが凄く美味しかったです。夕食後,売店でガイドブックを購入。
 22:00,爆睡。
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