7日目(2011年8月12日)

出発〜チロル滝街道を北上(笑)

 6:00,起床。昨日,散々歩いたからでしょう・・・少しだけ筋肉痛です。オーバーグルグルの村は昨日,歩き回ったので,恒例の朝の散歩は中止,荷物整理をしながら,ゆっくりと過ごします。部屋から空を見ると昨日より雲は多め,でも十分に良い天気です!最初の数日のガスに包まれた景色が嘘のようです(笑)
 8:30,エーデルワイスグルグルホテルを出発。
 この日はエッツタール渓谷(一昨日通ってきた道)を北上,アルデッツ村〜グアルダ村間をハイキングして,スイスのサンモリッツへと向かう日です。個人的にはただの移動日という認識(笑)・・・ただ,1つだけ楽しみだったのがエッツタール渓谷沿いに落ちている滝群です。バスの車窓から眺めるだけなのですが,どの程度の数の滝が落ちているのか興味津々でした!・・・結果,「滝直下まで行きたい!」と思える滝が,気付いただけで約15!いずれも相当な落差を持った滝です。右に左に次々に現れては過ぎ去っていきます。この道を「チロル滝街道」と命名しました(笑)。こんな所に住んでいたら時間がいくらあっても足りないなぁ〜・・・ついでに,命もいくつあっても足りないなぁ・・・と思いながら次々に現れる滝をドンドン写真に写していました。でも,動いているバスの中から撮しただけあって,ほとんどの写真が見るに堪えない状態でした・・・仕方ないですね(笑)

ホテルのルームキー

エッツタール渓谷沿いの道を北上

チロル滝街道の滝・1

チロル滝街道の滝・2

チロル滝街道の滝・3

チロル滝街道の滝・4

チロル滝街道の滝・5

チロル滝街道の滝・6
落石事故現場を通過
 滝街道の滝群に夢中になっているうちにバスは,落石現場を通過・・・一昨日はすでに暗くなっていたので,どの程度の落石だったのか分かりませんでしたが,通ってみてビックリ!きれいになっています!もっと危ない状況を想像していたのに・・・ただ,すぐ横の斜面には土砂崩れの現場が生々しく残っています。今にも道路に落ちてきそうな巨岩もまだ残っており,やっぱり,あの通行止めは仕方なかったのかな?の印象。ただ,この落石事故のおかげで「Stuibenの滝」に行くことができたので個人的には・・・以下,自主規制(笑)

チロル滝街道を北上

落石現場

落石現場
スイスに入国!
 更に北上・・・エッツタール渓谷沿いの道を抜け,9:40,高速道路沿いのドライブインでトイレ休憩。このドライブインはなかなかお洒落な建物,内部もなかなか良い雰囲気です。周囲は長閑な景色が広がっています。建物の中も良かったけど,さっさと外に出て,長閑な景色を見ながらボーッと過ごしていました(笑)。10:00,ドライブインを出発。
 10:45,オーストリアとスイスの国境のマルティーナ村に到着。ドライバーさんのみが入国手続きで,スイスに入国。スイスはユーロ圏ではないはずなのに,こんなに簡単に入国できるんだなぁ〜とちょっとビックリです(笑)・・・何はともあれ,ついにこの旅行の最後の国・スイスに入国です。

ドライブイン建物内部

ドライブインの駐車場から

ドライブインの駐車場から

スイスへ向かいます

スイスへ向かいます
アルデッツ到着
 11:20,アルデッツの村に到着。アルデッツの村は標高1467m・・・オーバーグルグルが標高1930m,標高差約460mです。たったの460mなのに空気は何やらベッタリとした印象。ちょっと湿気があり,爽やかさがあまり感じられません。ただ,景色は相変わらず素晴らしい!遠くには塔が見えます。これは。シュタインスベルク城の塔だそうです。12世紀に建造された城は,1499年にオーストリア軍に破壊されたそうです。
 とりあえず,駅のトイレを利用して,グアルダ村へのハイキングに出発です!と思ったら,スイス最大級の私鉄・レーテッシュ鉄道の赤い列車が通過,撮影会となりました(笑)。撮影会を終えて,11:40,ハイキング出発です!

駅のホームから

駅のホームから

シュタインスベルク城の塔

レーテッシュ鉄道の赤列車
グアルダ村へ(1)
 まずはアルデッツの村の中を通り,高台へと進みます。村の中には何カ所も水飲み場?があり,「アルプスの少女ハイジ」の世界を思い出させます・・・家の前には楽しそうな置物で飾られた家庭菜園?があり,二階の窓からは猫(の置物)が下を眺めています。家々の壁面は幾何学模様や絵で飾られています。これはスグラフィットと呼ばれ,家々の漆喰の壁を引っかき,下地を見せて模様を描くウンターエンガディン地方の装飾技術だそうです。見ていて楽しくなる村でした。

水飲み場

家庭菜園

窓から見下ろす猫(の置物)

村の風景

「アダムとイヴの家」(カーソルを合わせてください)
教会→
グアルダ村へ(2)
 アルデッツ村から坂道を登っていくと,牧草地の中の道になっていき,ほぼ平坦になります。この道は,19世紀中ごろまではウンターエンガディンの村々を結ぶ街道だったそうです。両側には生育の良い高山植物が咲いています。が,結構暑い!花好きの人にはたまらないコースなんでしょうけど,花に興味が無い自分にはこの暑さが結構きつい・・・それでも,この道から見える景色はやっぱり雄大で素晴らしい。花よりも景色を堪能しながら黙々と歩いていました。ビックリしたのは,こんな場所でも自転車でサイクリングしている人がいること!さすが自転車の国!・・・と,この時は思ったんですが,この翌日,もっとビックリすることになるのでした(笑)

アルデッツ村から坂道を登って行きます

アルデッツの村を見下ろす

道は平坦になります

自転車に乗った人とすれ違いました!

遠くの雄大な景色
グアルダ村へ(3)
 黙々と歩いていると,数100m先を行っている集団の方々から「Tさ〜ん,滝があるよ〜!」との声が!「滝?」,その瞬間に元気が出てきました(笑)。急ぎ足で向かったところにあったのが右の写真・・・ちょっと,これは滝とは呼べません(笑)・・・でも,このすぐ下流が橋になっていて,そこからとってもいい音が響いていました。もしかしたら,ここが滝になっているかもしれないなぁ〜と思いつつも,草木に隠れて全く見えませんでした。いずれにしても,これで元気が戻ってきました!再び景色を楽しみながら黙々と歩いて行きます。
 そしてグアルダ村への中間点・ボスチャの村に到着。道なりに進んでいくと高度がぐんぐんと低くなっていきます。水飲み場にいた人達や,車を運転していた人が次々に「グアルダ!」と言いながら全く別の方向を指さします・・・ようやく,道を間違えていることに気付きました。帰ってから調べてみると,私達が向かおうとしていた先にあるのはグアルダの駅のようでした。グアルダの駅は谷の底・標高1435m,グアルダの村は丘の中腹・標高1653mだそうです。とんでもないことになる所でした!・・・ボスチャ村の方々どうも有り難うございました!親切な方々です!多分,私達同様に,道を間違える人達が多いんでしょうね〜(笑)。
 慌てて正しい道に復帰,歩いて行くと,すぐに,Guardaの案内板があり,遠くにグアルダの村が見えています!そして,13:30,グアルダの村に到着。約2時間の行程でした。

滝?・・・違いますね(笑)

家が見え始めました

ボスチャの村はすぐ近くです

ボスチャの村

グアルダの案内標識

この山が近くなるとグアルダ村はすぐ近くです
遠くには「滝もどき」が落ちています→
グアルダ村へ(4)
 エリンゴー(ヒゴタイサイコ),リンドウ,大きいあざみ,秋咲きのイヌサフラン(オータムクロッカス),オオバコ,メールプリメル(サクラソウ),ナデシコ,ハウスリーク(ベンケイソウ),シャジクソウ・・・添乗員さんの旅日記によると,このハイキングで咲いていた花々です。これまで何回も書いたように,私に花の種類は全く分からない(笑)・・・相変わらず,どの花が珍しいのか,珍しくないのか,さえもさっぱりです(笑)。ということで,とりあえず今回も撮してきた写真を貼っておきます。

グアルダ村(1)

 グアルダ村は絵本「ウルスリのすず」のモデルになった村だそうです。「ウルスリのすず」は「大きな鈴を持った子供達が村中を練り歩く」という,この地方の春の祭りを題材にしたもので,この祭りは現在でも行われているそうです。この地方の家は厚い壁と奥まった小窓,そして,美しいスグラフィット装飾の家で有名です。この村はスイスの「文化財保護地域」にも指定されていて,昔ながらの街並みが保存されているそうです。
 この村のホテル「PIZ BUN」で昼食。メニューはスープ,チキン,ロシティ(ポテト),バニラとバナナのアイス。ちょっと塩味がきついかな?と言う感じだったけど,暑い中を歩いて汗をかいていたので,とっても美味しかったです(暑かったから塩味を強めにしてくれたのかな?という感じです)。
 昼食の後はホテルの庭(とっても綺麗でした!)で景色を楽しんだ後,村の散策,グアルダの村を突き抜けるメインストリートに沿って坂道を下っていきます。長閑な村の雰囲気ときれいなスグラフィットの建物,さらに,何カ所もある水汲み場が良い雰囲気を醸し出しています。

ホテル「PIZ BUN」

昼食

スグラフィット装飾の家

スグラフィット装飾の家
←ホテル「PIZ BUN」のきれいな庭

小さな小窓が印象的です

出窓にもスグラフィット装飾がありきれいです

水飲み場も楽しい雰囲気

グアルダ村の風景
←教会

グアルダ村の風景

グアルダ村の風景
グアルダ村(2)
 ツアーの皆さんに少しだけ遅れながら進んでいくと,皆さんはグアルダの村の中心部を通り抜けた辺りで土産物屋さんに立ち寄って色々と楽しんでいるようでした。私もちょっと間かを覗いてみたのですが,あまり興味がそそられるようなものは無かったのでその間,外で景色を堪能。相変わらず景色は素晴らしいし,長閑で良いとこです。ビックリしたのが,自転車で登ってきた人がいること・・・この延々と続く坂道を・・・!やっぱり,こちらの人は違います(笑)。牧草地では羊が草を食べています。何かよく分からないオブジェも立っています。穏やかな時間が流れていました。

雄大な景色

自転車で登ってきました!


何だかよく分からない・その1

何だかよく分からない・その2
サンモリッツ到着
 15:05,グアルダの村の散策を終えて,バスに乗り,いよいよ,この旅行の最終目的地,サンモリッツへ出発。そして,1時間後の16:05,サンモリッツのホテル「バーレン」に到着。「BAREN」は勿論「熊」。ホテルの壁面にも熊が描かれ,玄関には熊の置物が置かれています。
 ルームキーを受け取って,部屋(401号室)に行ってみると・・・他の人の荷物が!どう見てもすでに何泊かしている感じの部屋です。どうやら間違ったルームキーを渡された模様・・・こんな事があるんですね〜(笑)。本当の部屋は404号室でした。部屋は結構いい感じで,眺めもなかなか良かったです。

「バーレンホテル」(カーソルを合わせてください)

部屋
←ホテル玄関にある熊の置物
サンモリッツの町へ
 サンモリッツはエンガディン地方を代表する町,年間平均322日の晴天を誇る,高級リゾート地として有名な町です。サンモリッツの町は大きくバート地区とドルフ地区からなり,バート地区は静かな地区のようです。一方,ドルフ地区はサンモリッツ湖の北側の高台に広がる,宝飾店や有名ブランド店が立ち並ぶ賑やかな地区です。ホテルバーレンはこのドルフ地区まで歩いて10分くらいの所に位置しています。
 少し距離があるので,16:40,みんなでサンモリッツの町へ行き,そこで,解散することになりました。途中,明らかに傾いた塔の前を通過・・・通称「サンモリッツの斜塔」,これは1570年建立の修道院付属教会の鐘楼だったもので,1797年に地震のために傾いたそうです。

ホテルの部屋からの眺め

ここは教会みたいです

明らかに傾いています「サンモリッツの斜塔」
サンモリッツの斜塔→

広場だったかな?

これは何?
←鐘楼
「ハンゼルマン」
 サンモリッツ・ドルフ地区に到着して最初に向かったのはカフェレストラン・ハンゼルマン(Hanselmann)。創業1894年の老舗です。建物の模様はスグラフィット彫刻だそうです。茶色い壁面だからでしょうか,グアルダで見たのとはかなり雰囲気が違います。ここはオードリー・ヘプバーンのお気に入りのカフェだったそうで,サン・モリッツ滞在中には頻繁にやってきてケーキを食べていたそうです。店に入り,すぐの所がチョコレートやスイーツの売り場,奥がカフェになっています。時間も無いので,お土産として「クルミとキャラメルのタルト」の小サイズを9個ほど購入したのみでした。

カフェレストラン・ハンゼルマン
サンモリッツ湖一周
 ハンゼルマンでの買い物を終えて,解散。希望者は添乗員さんがセガンティーニ美術館へ案内してくれるとのことでしたが,残念ながら,美術館には興味なし(笑)・・・グループから離れてサンモリッツ湖を一周することにしました。
 とりあえず近くのスーパーへ行き,水とお土産を買い込んでから,ハンゼルマンから更に坂を下りて行きました。湖を一周する道へ進み,時計回りに歩いて行きます。とりあえず,時間もたっぷりある(・・・つもりでした)し,ノンビリと,ゆっくりと景色を楽しみながら歩いて行きました。

湖沿いの道路まで降りてきました

馬もいました・・・さすが高級リゾート地(笑)

バート地区の教会
←サンモリッツ・ドルフ地区

湖畔にはボートが並んでいます

ほぼ半周しました

対岸からのサンモリッツ・ドルフ地区

対岸からのサンモリッツ・ドルフ地区

湖に沿ったこんな道を歩きました

リス

湖畔をランニングしている人もいました

空には面白い雲が出ていました
ホテルへ
 この日の夕食はホテルのレストランで19:30からです。遠くに鐘楼がそびえています・・・あの辺りまで普通に歩いて15分程度,そこからホテルまで10分程度・・・と考えると,ホテルまでは約25分程度という感じです。時計を見るとすでに19:00になっていました!湖一周をあんまりとノンビリしすぎたようです(涙)。慌ててホテルへ向かいます。途中,サンモリッツ駅の前を通ると氷河特急が停車中。オオッ!と思ったけど時間が無いので素通り・・・急いで坂道を駆け上ります・・・汗だくでようやく,19:25,ホテルに到着・・・後で聞いたら,駅の構内に長いエスカレーターがありこれを使うと比較的楽に帰ってこれたようです・・・ショック!(笑)

氷河特急が止まっています

氷河特急

サンモリッツ駅

ホテルへの途中
夕食・・・悩みながら就寝
 19:30,ホテルのレストランで夕食。メニューはトマトスープ,サルティンボッカ,フルーツタルト。サルティンボッカは多く作りすぎて余ったのか?スタッフが希望者に追加で配って廻っていました(笑)
 明日はいよいよ実質的な最終日。午前中はピッツネイル展望台で景色を楽しみ,午後は自由行動です。この自由行動をどうするか・・・まだ決めていませんでした。同じツアーのIさんは「コルヴァッチ展望台への中間駅のムルテールからフォルクラ・スールレイ峠を越えて,ポントレジーナ経由で帰ってくる」というハイキングコースに行くとのこと・・・素晴らしい景色らしく,同行させてもらおうかな〜と思いつつも,1つだけ,気になることが!ホテルでもらった地図に滝の絵が描いてあり,この滝が気になって仕方が無かったのです(笑)。Iさんのコースと滝と両方はどう考えても無理!どうしようかな〜〜と散々悩みました・・・そして,結論が出ないままいつの間にか寝入っていました。多分,22:00頃,就寝。

滝が描かれた地図

トマトスープ

サルティンボッカ
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