6〜7日目(1)(2005年8月10日〜11日)

 10日も11日も5:00起床。これまでずっと朝の散歩をしてきたので,ここまで来たら・・・ということで両日とも5:30に旧市街へ出発。タリンの旧市街は案内板も至る所にあり迷う心配はほとんど無かった。が,ホテルへ帰る時に道を一本間違えて,迷ってしまった。初めて海外でタクシーに乗りました。
 10,11日の朝,個人で見て回った内容,ツアーの参加者みんなで見て回った内容まとめて紹介します。 


タリンの町並み

 タリンの旧市街はトームペアと下町に分かれ,その2つは「ピック・ヤルク(長い足)通り」と「リュヒケ・ヤルク(短い足)通り」の2つの通りでつながれている。その名の通り「短い足」の通りは短く,「長い足」の通りは長い。その分,「短い足」の通りは急な坂道で,「長い足」の通りは緩やかな坂道。でもどちらとも雰囲気が抜群に良いのです。
 タリンの旧市街は道幅が細く,石畳の落ち着いた町雰囲気。所々城壁や砲塔が残されていて,雰囲気が抜群です。道も分かりやすく,とても気に入っています。


ホテルから旧市街へ

ヴァイム通り

ピック・ヤルク(長い足)通り

リュヒケ・ヤルク(短い足)通り


タリン観光-旧市街・トームペア

 トームペアは石灰岩でできた崖のような小高い所で,13世紀に建設された大聖堂(トーム教会)にちなんでで名付けられた。ここにはトームペア城,アレクサンドル・ネフスキー聖堂,大聖堂,展望台など観光ポイントが集中している・・・が,個人的には下町の方が好みでした。ただ,展望台からの旧市街の眺めは最高に素晴らしい。
  トームペア城は13世紀に帯剣騎士団によって建てられた城。徐々に補強され,18世紀後半,当時のエカテリーナU世の命令でバロック様式の知事官邸として改築され現在の姿になった。外観は「城」というより「宮殿」である。「のっぽのヘルマン」はトームペア城の塔で1370年代に建てられた。エストニアで政権を握っている国の国旗がこの塔に掲げられている。
 アレクサンドル・ネフスキー聖堂はロシアの権力とツァーリ時代の象徴。トームペア城と向かい合うように建っている。この教会は19世紀末に建築が始まり,1900年に完成したそうである。空に向かう尖塔が多いタリンの旧市街の中でこの玉葱は異彩を放っている。
 大聖堂は13世紀初めにルンド司教の命で,聖母マリアに奉納するために建てられたと言われている。その後,ゴシック様式のバシリカ様式に改築,1684年の大火災後,すぐに再建が始まり,18世紀にはバロック様式の尖塔が取り付けられた。


トームペア城

アレクサンドル・ネフスキー聖堂

のっぽのヘルマン

大聖堂

トームペア東の展望台より

トームペア北の展望台より

タリン観光-旧市街・旧市庁舎
 ラエコヤ広場にある。ゴシック様式の外観は15世紀,バロック様式の尖塔は1781年に取り付けられた。尖塔のてっぺんについている,中世の衛兵の形をした「風見トーマスおじいさん」は1530年に作られた。正面から飛び出している2つのドラゴンは「雨どい」である。何か面白い建物です。


旧市庁舎

ラエコヤ広場

風見トーマスおじいさん

ドラゴン「雨どい」


タリン観光-旧市街・市議会薬局

 現役の薬局ではヨーロッパで最も古いものの1つだそうである。1422年にはすでに3代目の薬剤師が経営していたそうだ。裕福になった薬剤師は近くの建物を購入,3つの建物を1つの大きな建物にした。左側のアーチ型通路のある建物はもともと小さな計量所,中央が初期の薬局,右側(写真では建物で隠れています)は聖霊教会の牧師の住居だった。なかなか凄い話です。

タリン観光-旧市街・聖霊教会
 タリンに現存する最古のゴシック様式の教会。13世紀に建てられた救貧院のそばに建設された。塔が設置されたのは1430年代になってから。現在の尖塔の姿は1688年以降のもの。教会の外壁の大時計1684年のもので,クリスティアン・アッケルマンにより完成されたらしい。それにしてもタリンの旧市街は道幅が狭いのでこの塔は写真が撮りにくかったです・・・

 
聖霊教会

1684年の大時計
タリン観光-旧市街・聖オレフ教会

 この名前は1015〜1028年にノルウェーを統治したオーラフ2世にちなんでいる。この教会は1267年からの記録が残っている。中世,塔は159mあり,世界で最も高い塔と言われていた。あまりに高かったために何回も落雷の被害にあったとか・・・1820年の火災後に修復された塔の高さは「たったの」123.7mになった。でも十分に高いです。このタリンの町は見上げて写真を撮ることが特に多かったので首が痛くなりそうだった・・・

 
 

タリン観光-旧市街・聖ニコラス教会(ニグリステ教会)

 この教会はゴットランドからタリンにやってきたドイツの商人により1230年に建設され,商人と船乗りの守護聖人,聖ニコラウスに奉納された。1944年3月のタリン爆撃で破壊された後,1984年に博物館・コンサートホールとしてオープンした。展示品は多くはなかったが,歴史のあるものが多そうな印象だった。特に絵画「死のダンス」は印象的だった。生者と死者が一緒にダンスを踊っているもの。中世に普及したモチーフだそうだ。ここに展示されているのは,縦1.6m,横7.5mの絵で,ベルント・ノトゥケによるものの始めの一部分だそうである。

 
タリン観光-旧市街・聖ヨハネ教会   

タリン観光-旧市街・中世の建物
タリンには中世のギルド会館や住宅が沢山残っている。 


 「三人姉妹」は15世紀に建てられた住宅(商家)の集合体。美しく飾られたファサード(建物正面の壁面)が女性的な雰囲気を持つことからこう呼ばれる。ピック通り71番地。
 「三人兄弟」はライ(広い)通りの38番地〜40番地。3つ並んだ中世の住宅。控えめだが,"男性的な"姿をしているので,ピック通りの「三人姉妹」に対して「三人兄弟」と呼ばれているらしい。
 「フック・ハウス」はライ通り29番地。正面に2本の菩提樹の木がある。「ある猛暑の日,ピョートル大帝がここで眠ってしまった。その後,ピョートル大帝の頭の所と足の所に菩提樹が植えられた」と言われている。その時の菩提樹は枯れてしまったが,同じ所に植えられた新しい菩提樹がこの木だそうだ。
 この話をホテルで読んだ後,早速,翌朝「フックハウス」を見に行った。・・・「三人兄弟」のほぼ真正面の家だった。そう言えば前日の朝,「三人兄弟」を見に行った時,「三人兄弟」でなく,この建物の周囲を熱心に掃除していた・・・納得。
 タリンで買った本には「タリンで最も有名な建築物の1つ」と書いてあるのだが,この本以外,この建物についての記述は見たことがない・・・謎。
  「グレート・ギルドの会館」グレート・ギルドは遅くとも1325年にはカヌート・ギルドから分裂をしている。この建物は1410年に建てられた。後期ゴシック様式とのことだが,残念ながら工事中で三角形の切妻屋根ぐらいしか見えない・・・現在,エストニア歴史博物館。
「ブラックヘッド・ギルドの会館」
ブラックヘッド・ギルドは守護聖人にエチオピア生まれの聖人マリティウスを戴いたギルドで,未婚の若いドイツ系商人で構成されていた。ピョートル大帝はこのギルドの名誉会員だったらしい。この建物はタリンで唯一のルネッサンス様式(16世紀に改築)だそうだ。

ブラックヘッドギルドの会館

聖マリティウスの頭部(ブラックヘッドギルドの会館)
 「ラタスカエヴ(つるべ井戸)通りのつるべ井戸」に住む水の精は,生贄を持ってこなければ井戸を干からびさせると人々を脅した。そこで,町の住人は良い生贄が見つからない時は死んだ猫を代りに井戸に投げ入れたそうだ。・・・ということは「良い生贄」が見つかった時はそれが投げ込まれた?・・・でも「良い生贄」ってどんな生贄?疑問はふくらむばかりでした。   
つるべ井戸

タリン観光-旧市街・門塔と城壁

「キーク・イン・デ・キョク」
 この砲塔は15世紀後半に建てられた。「キーク・イン・デ・キョク」とは低地ドイツ語で「台所を覗け」と言う意味。49.4mの高さのこの砲塔はその高さと,当時の煙突の作りのため,その名の通り周囲の台所を覗くことができたらしい。現在,タリン歴史博物館の分館の戦史博物館。この砲塔を見るたびにムーミンの家を思い出します。


キーク・イン・デ・キョク 

内部の螺旋階段
 「ネイツィトルン」

 キーク・イン・デ・キョクのすぐ隣の四角の塔。塔は14世紀に建設の3階建て。中世には売春婦の牢として使われ,「乙女の塔」と皮肉な名が付けられたそうだ。
 「ふとっちょマルガレータ」と「グレート・コースト・ゲート」

 「ふとっちょマルガレータ」は1529年にたてられた砲塔。直径24m,壁の厚さは4.7m。隣の通路がグレート・コースト・ゲート。ピック通りはここ「グレート・コースト・ゲート」で終わる。
 「ラボラトーリウミ通り」
 「三人姉妹」の所から修復中の砲塔に引かれて近づいてみると,いくつもの砲塔と城壁の通りが広がった。すっかり気に入った景色です。

修復中の門塔

連続的な門塔と城壁
 「城壁」
 アレクサンドル・ネフスキー聖堂から「リュヒケ・ヤルク通り」,「デンマーク王の庭」の方へ向かった所にある城壁
 「セーターの壁」と「城壁」
 夕食の中華の店へ行く途中。セーターの店がずっと並んでいた。「セーターの壁」というらしい・・・壮観。
 夕食の中華の店「北京」は城壁を利用した店だった。内装も城壁を利用していた。エストニア風中華料理・・・と言った所か?あまり脂っこくなく,辛くもなく,中華という感じはあまりしなかった・・・炒飯もなかった・・・

セーターの壁

城壁
 タリン観光-旧市街・タリン歴史博物館

中世タリンの模型

ブラックヘッドギルドの16世紀のガレオン船
 

タリン観光-旧市街・占領博物館

 2003年にオープンしたソ連によるエストニア占領をテーマにした博物館。熱心に見学している現地の人(?),観光客(?)が印象的だった。また,町中から撤去されたソ連時代の像が地下?に集められていた。

タリン観光-その他

 その他の写真です。豚の煮凝りのゼリー「スルトゥ」。ガイドブックで存在は知っていたので,いつかは出るのではないかと思っていたがやっぱり出たか!!という感じでした。・・・が,肉(特に豚肉)が苦手なのを添乗員さんに連絡していたら,私だけ特別メニューにしてくれていた(どうも有り難う)のでこれは食べなかった・・・ちょっと試してみたかった気もしますが,きっと一口で挫折したことでしょう。
 切手屋は切手コレクターとしては行かねばなるまい・・・ということで自由時間を利用して行って来ました。エストニアの切手コレクション(4000〜5000円くらい)を購入しました。頼んだら快く写真を撮らせてくれました。旧市街では絵はがきも買いました。この子も快く写真を撮らせてくれました。二人ともどうも有り難う!!


フィンランド湾
 タリン港ターミナル

トラム

豚の煮凝りのゼリー「スルトゥ」

切手屋さんで

旧市街で
inserted by FC2 system